・古典に見る画題・


〜梅〜

(別称:清友、幽香、君子、玉骨、清客、暗香、一枝、清艶、香雪など)

文人画に、梅を描いたものをよく見かけます。
春まだ遠い寒さの厳しい中、梅は清らかな花を咲かせ、品のある香を辺りに漂わせます。
中国では、昔から梅のこのような姿を君子に例え、愛でます。

満月の深夜、寒い庭に出て咲き始めた白梅の下、深呼吸してみてくだい。
冷気と幽香、月明かりに眩しいほど白く輝く5弁の花。
体の中、全てが洗われる気分になります。
必ず一人で愛でてください。君子たる梅花と対峙している自分。
きっと感動することでしょう。
文人たちが好む訳は、明確です。


 
また、春の一報として梅を描くこともあります。

 前村深雪裏  ぜんそん しんせつのうら

 昨夜一枝開  さくや いっしひらく  唐 斉己(五言律詩の内二句)
 
 まだ雪深い村にも、梅花が一枝の春を伝えています。


 折花逢駅使  花を折って駅使に逢い

 寄与隴頭人  寄与す隴頭(ろうとう)の人に
 
 江南無所有  江南 有る所無し
 
 聊贈一枝春  いささか 一枝の春を送る


暖かい江南地方から、まだ寒い長安にいる友人へ、贈られた梅一枝に添えられた詩です。
春待ち遠しい人々にとっては、何よりの暖かい贈り物となったことでしょう。
寒中の手紙に、梅一枝を描き添える。
文人の心遣いです。


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