本 臥遊
東洋文庫 「長物志」 文震亨著
平凡社
冒頭の一節です。
「そもそも庭園の品評、名酒・名茶の品題、骨董の収集と飾りつけ、
書画典籍に諸道具のたぐいは、この世においては閑事(むだごと)、
この身にとっては長物(よけいなもの)で・・・・」
と書き出しておきながら、延々と12巻にわたり、長物について語っています。
「無用の長物」のことです。
よけいなものと言いながら、愛玩品で満たされた暮らし。
文人趣味的価値観を窺い知ることのできる本なのです。
サブタイトルに「明代文人の生活と意見」とあるように、
一言で言うなら、文人趣味マニュアル全書ということです。

目次の1部分です。
室内の備品だけでもこのように詳しく分類され、
それぞれについて詳しく書かれています。

参考図版も多数あり、明代の文人達の暮らしがとてもよく分かります。
山水画を描く時、文人の暮らした空間をイメージするのに、
とても参考になる本です。
帽子や服、室内の備品、建物の姿、庭に植わっている木や草、
川に浮かんでいる船、釣具・・・・
文人趣味的山居暮らしに憧れている私にとっては、
現代の暮らしでも参考になる情報が満載です。
気に入った本を一方的に紹介された時。
困る場合がほとんどです。
読む本は自分で探したいものです。
この本は、本当はあまり紹介したくありません。
理由は・・・・・・参考にしていることが多すぎて、少し恥ずかしいからです。
しかし、文人趣味を「まずは形から」と思われる方には、お勧めの1冊です。
もちろん文人趣味は形のものではありませんが・・・・
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