硯
(その4)
・法起寺瓦当硯「怡心硯」(飛鳥時代)・

瓦当硯(がとうけん)といいます。
昔は墨を磨るのに、古い瓦を使うこともありました。
当時は、硯にできるような石を手に入れることは、大変だったのかもしれません。
ご覧の硯は、私の手作りです。
瓦は、飛鳥時代の瓦です。つまり1,300年以上も前の瓦です。
といっても中学生の時に、斑鳩の法起寺に接した畑の用水路で、拾った物なのですが・・・・
邪魔者のように、捨ててありました。

外面、内面の両方に布目が残ってあり、
焼成温度の加減なのか、中心部分だけが黒くなっています。
その瓦を彫って硯にしました。
「怡心」(人をたのしませるこころ)の字も彫ってみました。

削っていくと、墨堂(墨を磨る所)に丸い月が浮かび上がりました。
薄雲が切れて、月が現れたように見えます。
文房四宝とは、決して高価なものばかりではありません。
手作りの文房具を大切に使う。やがて愛情が生まれ、宝となります。
文人の楽しみの一つです。
捨てられていた瓦ですが、私にとっては愛玩の一品です。
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