香筒

手前の線香立ての向こうに、竹の筒が横たわっています。
「香筒」と呼ばれ、線香を入れて持ち運ぶ道具です。
煎茶席では、この「香筒」もこの様に飾ることがあります。

筒の栓を抜き、線香を出してみます。
ここから1本抜き取り、火鉢や炉の炭で火を点け、線香立てに立てます。
私は庭や、景色の良いところへも持ち歩き、
気にいった場所で線香を点け、一休みします。
屋外だと香はしないように思われますが、時折漂ってくる線香の香は、
幽玄の世界へ導いてくれることさえあるのです。

この竹筒は「湘妃竹(しょうひちく)又は「斑竹(はんちく)」と呼ばれ、
この竹には、以下のような中国の話が伝わっています。
舜帝の妃に、娥皇と女英という名前の二人がいました。
ある時、この妃を家に置いて、舜帝は戦に出かけました。
しかし、その後を追って二人が湘水のところまできたときに、
舜帝の死を知り、二人の妃が深く嘆き悲しみました。
そして妃が流した涙が竹に滴り、
その痕が竹に斑紋として残ったことから「斑竹」と謂われ、
又「湘妃竹」と呼ばれるようになりました。
この話を聞くと、この竹の斑紋が、涙痕に見えてくるから不思議です。
この竹は、今では手に入りにくく、とても貴重な竹となっています。
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