線香
(その2)

・五彩跳魚図火入れ・
 


煎茶道の世界では、床の間に線香を立てます。
ご覧の線香立ては、元々煙草盆の中の火入れに作られたものです。
この火入れを線香立てに見立てて、灰に線香を立てて飾ります。





すべて上絵付けですが、赤、黄、緑、黒、青の5色を、
見事なまでの微細で活きた筆致で描かれています。名も無い職人の業です。

亭主が客をもてなす時に、客の好みを考慮するのは当然でしょうが、
又亭主の好みを客は楽しみにやってきます。
そんな時、私は名の通った作家の愚作よりは、このような品の良い無銘の道具を選び、客を迎えます。

この線香立ては、瀧を描いた水墨画の前に飾りました。
この足元の鯉が瀧を登り、やがては龍に化し天に上っていきます。「登竜門」の語源です。

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