・古琴、竹鉢、寒蘭・


古琴

孔子の時代より、古琴は君子の必需品であった。

そして中国、日本を問わず、何時の時代も多くの文人たちは古琴を楽しんだ。

正倉院にも唐代の素晴らしい古琴が残され、

聖武天皇も、ここ奈良の地で古琴の音色を楽しんだ事であろう。

陶淵明もまた無弦琴と称し古琴を愛した。

折から季節は秋。

庭の間垣の足元にひっそりと咲いていた菊を、

胴に穴の開いた素焼きの古壺に挿し、愛用の古琴に添える。

まだ酒は届かず、空の杯を手に陶淵明を偲ぶ。


竹鉢



庭には多くの鉢植えがあり、季節が移り行く中、彼らは自分出番をじっと待っている。

花のないときには、廊下の角に竹鉢を飾る。

華やかさは無いが、清らかな空気が漂う。

竹のみが為せる技である。


寒蘭



縁側に蘭を飾る。特に寒蘭の葉は力強く、しなやかである。

育て方に問題があるので、数年に1度しか花芽を付けない。

左の土佐の寒蘭は7年ぶりの花芽である。

しかし、花芽がしっかり伸び、咲くまではまだ1週間以上掛かりそうであるが、

待ち遠しくて我慢できず、軒に持ち込み毎日眺めて楽しんでいる。

心地よい緩やかな風が吹く。蘭の葉は風に揺れることはあっても、しなることはない。

金属をも断つ強い意志を持っていると例えられる蘭。

四君子(蘭、竹、梅、菊)の一つ、竹の鉢を添えて「君子の交わり」とする。

すぐ側で眺めている私ではあるが、まだまだ遠い存在である。


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