硯
(その1)
画や書、また詩を作るものにとって、机上の最愛の友として大切にされてきた硯。
ここでは、私が日頃使っている愛玩の硯をご紹介します。
愛玩とは、手に取り愛でること。用のためだけではない硯たちです。


双変龍紋硯 端渓麻子坑石
8.5cm×6cmの手のひらに乗る小さな硯です。
信箋に手紙を書くときに使っています。
深い臙脂色のしっとりとした肌は100年以上の時間の経過を感じさせます。
硯箱は茶色と黄色の斑紋が均等に混ざった鼈甲で飾られ、譚嗣同珍用と刻されています。
彼が使っていたものかもしれません。少し磨耗しています。
箱裏には光緒御製とあるのは、譚嗣同が光緒帝に仕えていたからでしょうか。
譚嗣同とは、清朝末に「仁学」を著し、34才で処刑された憂国の士です。
数年前に「仁学」について書かれた本が出版されました。
机上にこの硯を置き、「仁学」を読む。彼の熱い想いを感じました。
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