茶と茶器



この一碗の茶に過去の人々は感動を覚え、人生を語り、
時には仙人の心地を楽しみました。
もちろん日常の喉を潤す茶と、なんら変わることはありません。

しかし、感性の優れた先人たちは、この一碗の茶から詩を吟じ、
琴を奏で、画を描き、小説を創造しました。

後の人々は、この茶を「文人茶」と呼びました。

文人たちの多くの嗜みのなかで、酒ではなく、
どうしても茶でなければならない時があるのです。

ここでは、現代の暮らしの中で楽しむ茶とそのための器をご紹介させていただきます。

茶碗 「五福壽桃」染付け玉露茶碗 清川吉兆作 

托子 暗八仙刻錫托 清朝中期

茶 「黄檗の露」大正園製 宇治田原

茶碗は京都の女流煎茶工芸作家、二代清川吉兆さんの玉露用茶碗です。
ご覧のとうり、直径5cmのたいへん小ぶりで、極薄作りです。
写真では判りませんが、茶碗の中の底には小さな桃の絵が描かれています。

吉兆さんとはとても良く勉強されていて、図案にもこだわりを感じます。
私が愛用している茶碗で、文房の備品です。

托子とは茶托のことで、ご覧の托子は、中国の清朝のもので、錫でできています。
200年以上の時代の経過が、ご覧のような色合いを作り出し、
落ち着いた風合いが、染付けの茶碗と良く合います。

暗八仙とは、八仙人の持ち物を言い、八仙人同様長寿を意味する、吉祥図案です。

茶は、私が愛用しています宇治の茶葉です。
少量の玉露を口の中に流し入れます。口の中に広がる香と、旨み。
語り伝えることはできません。ただただ幸福です。

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