茶器

・仙媒・
(せんばい)



この竹を割っただけの道具ですが、茶を楽しむ時には欠かせない物です。
私は仙媒(せんばい)と読んでいます。
茶量、茶則、茶合など、さまざまな呼び名があります。



このようにして使います。



「功名角上無多地 風月壺中自一天」
このように刻されています。

功名を目指して上へ上へと登っても、
角のようにてっぺんには、広い場所はありません。
それならば、壺の中のような小さなところでも、
自分ひとりの天下の中で、風月を楽しもうではありませんか。

このような意味の言葉です。

茶を楽しむ人の理想の世界です。
このように、道具にも作り手と、使う者の想いが込められているのです。

この仙媒は、奈良に住んでおられた、鉄筆家の市川鐵琅氏の作です。
鉄筆家とは聞きなれない言葉ですが、筆を刀に持ち替えて、
画や文字を色々な道具に刻する工芸作家を指します。



節のところに、こんな文字が小さく刻されています。
「玩玩斎造」と読めます。
大阪に住んでおられた、竹工芸作家の名前です。

お二人とも、一般にはあまり知名度はありませんが、
昭和の名工であるお二人の手になる道具です。

使って心地よく、愛玩に耐える私の愛用品です。

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