・祝全日本煎茶道連盟結成五十周年・


 陸盧継検徳 陸盧 検徳を継ぎ
 高子具荷回 高子 具を荷いて回る
 自昔伝茶道 昔自(より)茶の道を伝え
 要須更啓培 要(かならず)や須(すべからく)更に啓培す
 貴珍須不羨 貴珍 須(もちいる)を羨ましず
 貧賎任人☆ 貧賎 人☆(わら)うに任す
 夢見耕三畝 夢に三畝耕すを見る
 三師何所来 三師 何所(いずれのところ)より来る
 客招柴戸閉 客を招いて 柴戸を閉ざし
 塵拂茗筵開 塵を拂いて 茗筵開く
 隻手拈茶注 隻手 茶注を拈ずれば
 清風既満杯 清風 既に杯に満つる

  上平声灰韻五言六韻排律詩

  注(
に入る漢字は口へんに台・読みは「わらう」)


陸羽や盧★の検徳の精神を受け継ぎ、
高遊外(売茶翁)は、茶具を荷いて京の名勝を回っていました。
私たちは、彼らの歩んだ道を後の人々に債え、
必ず、更に正しく培わなければなりません。
その為には、高価な物や珍しい物を羨ましがらず、
貧しく、賎しいと言われても人の☆うに任しましょう。

ある日、私は家の小さな畑を耕している夢を見ました。
そこへ何処からか三人(陸羽、盧★、売茶翁〉が来られました。
私は彼らを招き入れ、外界と遮断するために、粗末な戸を閑ざし、
日頃の暮らしの塵や穢れを清め、お茶席を一席設けました。
するとどうでしょう。片手で急須を手にしただけで、
茶碗には既に清風が満ちていました。

この詩は、全日本煎茶道連盟五十周年記念誌に掲載した詩です。
あつかましくも、我家に茶聖と呼ばれている人々を招き入れ、
茶会をしてしまおうというものです。
清風とは、お茶の味にあるものではありません。
茶碗に口を付ける前に、既に清風はあります。

注(★に入る漢字はやねかんむりに工・読みは「どう」)
注(☆に入る漢字は口へんに台・読みは「わらう」)

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