盛り物・活花 臥遊
「究極の盆栽・・・・」

数年放置された鉢植え。
もともと何を育てていたかもわかりません。
夏が終わり、秋の始まり。
庭に生えている草花が、いつのまにか鉢の中にも進入していました。

羊歯(シダ)の仲間です。
毎年春になると、山居周辺のいたるところに蕨が芽を出します。
胞子が飛んできたのかどうかわかりませんが、
植えていないことだけは確かです。

手前のギザギザした葉に実が膨らみ始めています。
見覚えのあるこの葉っぱ。
そう、青紫蘇の葉です。
ずいぶん前に、一株の青紫蘇の苗を買ってきて、
畑の片隅に植えたのが始まりですが、
いつの間にか、庭のあちらこちらに、育っています。
その種が、こぼれたのでしょうね。
奥には犬蓼(イヌタデ)のつぼみも見えます。

同じ蓼ですが、こちらは桜蓼。
もうまもなく五弁の小さなかわいい花が開きます。
その他にも、蒲公英、芒、野蒜、苔・・・・
ざっと見ただけでも、15種類は育っているようです。
こうして、じっくりと眺めてみると、
まるで、庭の一角を切り取ったような姿。
これこそ、まったく手を加えていない、
究極の盆栽です。
手を加えていないから盆栽じゃない。なんて言わないでください。
大切に放っておいたのですから。
庭をそのまま文房へ持ち込みます。

美しいです・・・・・・心が静まります。
中国を代表する文人の一人、鄭板橋の水墨画と、
庭の敗蓮を挿してあるのは哥窯瓢形の花入れ。
ほとんど無彩色なしつらえが、
庭の青々とした草の翠を、より一層引き立ててくれます。
盆栽を部屋に飾る。
いまでは、当たり前なことですが、
もともとは文人たちが始めた楽しみのひとつです。
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