盛り物・活花 その6

・菖蒲と梨・



去年の枯蓮を敷き、その隙間から菖蒲の新芽を覗かせてみました。



添えてある素焼きの壺は、庭で野焼きの際に破裂して穴の開いた壺です。
数年雨ざらしのまま庭の片隅に置いていたものです。
朽ちていく時間と、今から伸びるという空気感のコントラストを表現してみました。



床の間には梨の蕾です。あと1日で咲き始めることでしょう。




玉容寂寞涙闌干、梨花一枝春帯雨。


玉容寂寞として涙闌干 梨花一枝春雨を帯ぶ

 
その美しい顔はいかにも寂しげで、涙のはらはらと流れるさまはまさしく、
一枝の梨の花の上に、春の細かい雨がはらはらと降り懸かってぬれているかのようであった。

玄宗皇帝に寵愛された楊貴妃ですが、彼女の死後仙境にいた楊貴妃の姿を、
白楽天は「長恨歌」で上のように詠っています。

梨の花は桜と同時に咲く年もありますが、とても清楚な姿が印象的です。
そして雨を帯びた梨の花は、涙して明け暮れる楊貴妃の姿を想像させます。

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