・茶の花・

あまり教えたくないのですが、
独り占めも良くないのでお教えします。「茶の花茶」です。



我家の庭には茶の木が一本だけあります。
やぶきた種で、もう10年以上になると思います。

1本の木ですが、毎年茶摘をして、煎茶、烏龍茶、焙じ茶・・・・
色々と楽しんでいます。

しかし今年は忙しくて茶摘をする間も無く、伸び放題。
おかげでたくさん花が咲き、文房から毎日楽しんでいます。

この「茶の花茶」は、西川一草亭という大正時代に活躍した花道家が
出版していた「瓶史」に、少しだけ紹介されているものです。

しかし当時は作るのが少し難しかったのか、その後あまり知られていません。
私も今までにこの「茶の花茶」は頂いた事がありません。
まず花を摘みます。蜂がよく来るので注意!



このくらいでも少し開き過ぎかもしれません。
この花をいかに乾燥させるかが問題なのです。

茶の木には、酵素が多く含まれ、摘まれて時間が経つと
あっという間に茶色く酸化変色します。
葉なら烏龍茶になり、紅茶になるのですが。

この白い花の色を残すために、電子レンジを使います。
この加減が少し難しいのです。
茶の花茶は家内の発案、加工なので、微妙なタイミングは家内しか判りません。
私は頂き、客に自慢するだけです。
大切なことは、木質部まで乾燥させる事です。
そうでなければ、保存している間に、カビが生えるようなことに。

大正時代に電子レンジがあれば、きっと西川一草亭も上手く作れたことでしょう。
彼の華道の生徒には夏目漱石がおり、彼の性格からしても、きっと漱石に、自慢げにご馳走したはず。
とすると、「草枕」の中に記されている玉露を楽しむ場面が
「茶の花茶」に変わっていたかもしれません。・・・・話の暴走はやめましょう。

あとは日に当てて乾燥させるだけです。
下には和紙のような水分を吸うものを敷きます。



保存期間によって少し味は変わっていきます。
無理やり良いように言いますと、熟成していくということです。
香、味、色すべて楽しめる、すばらしい花茶です。

今年の正月、来客の皆様に召し上がって頂き、好評でした。
どのような味かと申しますと、作ってすぐは茶の木の花の香が微かに感じますが、味はほとんどしません。
時間が経つにつれ、旨みのある味わいになり、香ばしいような独特の香がするようになります。



今年の新茶でございます。まずは一椀召し上がれ。

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