四季の草花 臥遊
秋
・梧桐・

「梧桐一葉落ち、天下尽く秋を知る。」
大きな葉が落ちる音に秋を感じるということです。

30cm近くあるでしょう。
夏にはこの大きな葉陰に涼味を感じるものですが、
秋には全ての葉が垂れ下がり、とても寂しげな風情です。
梧桐は「ごとう」と読みます。
桐とは全く違った種で、もともと日本には自生しておらず、亜熱帯の木です。
葉が桐の葉に似ていて、ご覧のように樹皮は緑色をしています。
一般に「あおぎり」と呼ばれる所以です。

蝸牛が仲良く並んでへばりついていました。
小春日和続きなので、しばらくじっと我慢です。
中国では、国家が安泰であると、この梧桐の木に鳳凰が飛来するといわれ、
皆こぞって庭にこの梧桐を植えました。中国の文人画で、
気候の穏やかな江南地方の庭に描かれているのを多く見るのは、そういう訳です。
この写真の梧桐は、中国様式の寺である宇治の萬福寺にある、
煎茶道の茶席「有聲軒」の庭の木です。
もちろんその様な由縁で梧桐が植えられています。
優れた山水画には、間違った木はありません。
なぜなら優れた画家は、木一本でも慎重に選択して描いているからです。
つまり優れた理解者は、この画家の想いを一本の木からも感じ取ることができるのです。
そうして厳選され、大切に伝え守られてきた画を名画と呼びます。
皆さんも山水画から、この梧桐の木を探してみてください。
あるべきところにある梧桐を発見した時、
画家の想いを少し理解できたことになるのです。
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