・土壁と藁・

晴れ渡った秋の田園。

朽ちそうな土壁の納屋に忍び込みました。

4畳半も無いでしょうか。

木戸を閉じると、窓から差す秋空の日差しに、藁が青く光っていました。

とても綺麗です。

藁の葉先が揺れるのを見て、風が吹いているのを知りました。

狭い空間に満ちた、土と藁と黴の匂いを、この風が時折一掃してくれます。

ほんの数分だと思いますが、なぜか妙に落ち着くのです。

少年期を街で過ごした私には、この空間にノスタルジックな感情はありません。


利休は狭い茶室の壁を、藁の混じった土で塗り尽くしました。

土壁には小さな窓を開け、微かな光を巧みに使いました。

そして、客を招き入れ、茶を勧めます。


田圃の隅にある小さな納屋と利休の茶室。

寸分違わぬ、光と匂い。

納得です・・・・・・美しいのです。

BACK