・柘榴・

柘榴は「百子同室」「多子同室」などと呼ばれ、
たわわに実ったその中に多くの小さな種が宿っている姿から、
子孫繁栄の意があります。また多くの文人たちが好んだ画材でもあります。
そして詩人たちは実よりも、夏に咲く鮮やかな朱色の花に心を動かされ、多くの詩が生まれています。
今年は柘榴のあたり年です。例年よりも倍近く大きな実が、上に向かって伸びていた枝をたわましています。
左に伸びた枝先に注目してください。
実の重さによって斜め下にたわんだ枝ですが、既に枝先はほんの少し上へと向かい始めています。
全ての植物に共通した「生きている」という意志です。
生きた画とは、この部分を描き漏らすことの無い、意志を持った人の画です。
さわやかな秋空に、くれない色の「多子同室」。
洋洋として、とても眩しいです。
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