・風竹・



陰暦の3月頃を竹秋と呼びます。
筍も芽出し、昨年の葉は黄色くなり、散り始めます。
そしてすぐその後に、爽やかな黄緑の葉を、細い枝先に広げ始めます。
その柔らかな竹を、春風がたわめています。



風に揺れる竹やぶを眺めるのが好きなのです。
からりと晴れ渡った空には流れる雲もなく、風は見えません。
しかし天にまっすぐ伸びようとする竹を、容赦なく揺する姿に風が見えます。



波打つように、竹やぶが大きくうねる姿を眺めていると、
自分の体も、いつの間にか揺れ動いていました。



竹林の七賢人。世の混乱に背を向け、竹林で清談を尽くした賢人たち。
竹裏館。王維が愛した住居も竹薮の奥にありました。
四君子。蘭、菊、梅、そして竹。徳のある立派な人を例えます。
竹は高節の君子。此の君は、まっすぐ、規則正しく節度のある君子です。

文人たちが愛した竹。宋代の文人、文与可は好んで竹を描きました。
その竹は、大きく撓みながらも、力強く葉を広げた竹でした。
私も風に揺れる竹を、眺めながら指でなぞってみました。

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