四季の草花



「枝垂れ柳―蘇州にて」

平成丁亥春 於 蘇州郊外 錦渓

清明節のちょうど1週間前。

湖面を渡る風も温かく、芽を吹き始めた柳が風をかたどっています。

車窓から見えるクリークにも江南地方特有の風景があります。

菜の花、柳、水面に映る時代を経た壁、若草の茂った岸辺、

役目の終えた、朽ちた船が菜の花の向こうでひっそりと横たわっています。

とても美しい風景です。

過去の文人たちが眺めたであろう蘇州の街の遠望も、

池塘の柳以外はすっかり変わってしまいました。

蘇州の庭園「怡園」の庭の枝垂れ柳も、柔らかな葉を広げ始めていました。

ここだけは、数百年前に文人たちが過ごした空間が、何一つ変わらず存在しています。

あとは、訪れた人の心の場所をほんの少し、200年前に戻すだけです。

憧れの文人です。

※文人趣味臥遊主催の「文人の故郷江南地方をめぐる旅」の時の写真です。

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