・並頭蓮・

奴有並頭蓮
贈与君関髷
凡事同頭上
切勿軽相棄

私は並頭蓮を持っています
あなたに贈って髷に挿してあげましょう
万事頭を並べた(夜を共に過ごした)仲なのですから
どうか見捨てなさらぬように

「金瓶梅」という明代に書かれた小説の中の詩です。

ご覧の蓮の花は、1本の軸から2つ咲くという、とても珍しい現象です。
中国では昔からこの並頭蓮を瑞祥の兆しとして、とても喜ばれました。
宇治の萬福寺の境内で、鉢植えの蓮に1本だけ咲きました。

蓮には、多くの寓意があり、

『和合』
蓮を意味する別の字に「荷」があります。
この「荷」が中国の発音では「和」・「合」と同音同声なので、「和合」を意味します。
つまり男女の睦みあい=和合ということで、結婚などのおめでたい画題になります。

『愛情・恋心』
「蓮」と「憐」・「恋」中国では発音は同じであったり、良く似ていたりするところから、
相手へ想い(憐・恋)が連(蓮)なり続く意味になります。

など、他にもあります。

日本ではお盆の花のイメージからなのでしょうか、
どうも仏様の花と思われがちですが、中国では、どうも恋の花のようです。

最初に記した詩をもう一度詠んでください。
恋や和合を意味する花が、2つ頭を並べて咲いたのを、男性の髪に挿すとは、
さすが大胆な「金蓮」(小説に登場する淫靡で猥雑な女性)のなせる業でしょう。

しかし、私はこの蓮の花からは清楚・気品・華麗・静けさなどのイメージしかありません。
なので、夜明けと共に開くこの蓮の花と、一人静かに向かい合って、和合無く、
恋心も秘め、触れることも無く、時間を過ごしたいものです。
きっと周 敦頤(とんい)も同じだと思います。

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