・合歓木・

山居への帰り道。
道に綺麗なピンク色をした羽のような物が点々と落ちていました。
足を止め見上げるとご覧のような花が満開です。

合歓木(ねむのき)です。
山居周辺の山一帯に合歓木が自生しています。
中国では合歓木を夜合花と呼びます。
夜になると、葉が閉じて合わさるところから、こう呼ばれています。
その姿から、仲睦まじい男女を意味する時に例えられる花です。
万葉集にこのような歌があります。
「昼は咲き 夜は恋寝る合歓木の花 君のみ見やめ 戯奴さへに見よ」
(昼は咲き、夜は慕い合って葉を閉じて眠る合歓の花を、
私一人だけで見ていてよいものでしょうか。
あなたも一緒に<共寝して>ご覧になってください。)
紀郎女が大伴家持に贈った合歓木と夷に添えられて歌です。
これに対して家持は、
「我妹子が形見の合歓木は花のみに 咲きてけだしく家にならじかも」
(あなたが形見にくださった合歓木は、花だけ咲いて、
おそらく実を結ばない<共寝が成就しない>のではないでしょうか。)
中国でも日本でも合歓木は男女の夜合を意味する花として
古くから歌に歌われてきました。
また中国医学では合歓木の薬効として、強壮、鎮静、鎮痛なとがあり、
古くから怒りを静める植物として知られています。

合歓木のすぐ隣には野梅の木があり、合歓木の花を眺めていると、
ポトリと梅の実が一つ落ちました。

梅の実と合歓の花。とても意味深い景色です。
※「梅の実七つ」を参照してください。
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