・椿・
晴れた日の南向きの廊下は、とても暖かく心が和みます。
廊下の突き当たりの垂撥(すいはつ)の掛け花入れに椿を挿します。
私の茶の社中が挿してくれました。

一番奥に見える花が、廊下を歩く者を奥の方へと引き寄せます。

華やか過ぎると人が前へ進むのを拒みます。
ささやかな1輪の花だから人を引き寄せるのです。
まだ開きもしていません。
そして奥の座敷で、亭主が客を待っています。
座敷の床の間にはどんな花があるのでしょう。期待します。
控えることが客をおもてなしするときの、テクニックかもしれません。
時には画仙紙の片隅に1輪の花を描くだけで、画が完成するのと同じことです。
控えてこそ見る者を引き寄せることがあるのです。
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