・白梅・

どちらの花が好きですか?
「どちらも同じ白梅でしょう」なんて言わないでください。
おっしゃる通り、どちらも白梅ですが、もう少しよくご覧ください。
違いがわかると思います。
どちらも山居に開く、一重の梅花ですが、顎の色に違いがあります。
片方は紅紫色で、もう一方は薄緑色をしています。
枝も同じように、色に違いがあることにお気づきだと思いいます。
片方は赤みのある薄緑色で、
もう一方はきれいな緑色をしています。
以前、ある梅林でこの顎も枝も緑色をした梅に出会い、
その清楚さと可憐な姿にすっかり魅了され、
やっと庭に植えることができた白梅です。
中国南宋の時代に、画院画家である馬遠のパトロンとしても知られた張☆が
『玉照堂梅品』という梅花の鑑賞について、詳細に書き著した本を残しています。
その中に「緑萼梅は、最も梅中の上品なるものなり」とあります。
(☆に入る字は「滋」の字のさんずいを糸へんに変えた字です。)
また、宋代の進士で、特に詩人として知られている文人の范成大は『梅譜』を著し、
その中にも「緑萼梅」の項があります。
そこには、「すべての梅の花の帯(うてな)は、みな絳紫(あかむらさき)色をしているが、
これだけは純緑色で、枝梗(えだくき)もまた青く、特に清らかで高尚な感じが する。
好事家はこれを九疑山人萼緑華に比べている。」とあります。
ちなみに、「九疑山人萼緑華」とは、九疑山に住んでいるという、萼緑華という名の
とても美しい女性の仙人のことです。
もう一度、写真をご覧ください。
そういわれれば・・・・・
でも人の言うことを信じてはいけません。
この冬に、ご自身の目で確かめてください。
もしも女仙の萼緑華に出会いたいならば、
晴れた日の真昼よりも、曇り空の朝がお勧めです。
そして、遠くから眺めてください。
一目惚れ間違いなしです。
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