・白瀧茶会・

東京では初めての文人趣味茶会が
4月13日(日)に、練馬教室の行われている白瀧呉服店内で開筵されました。

東京で1番古く、歴史のある広い呉服屋さん。
苔むした大きな中庭には、川がながれ、瀧が落ち、
その奥には小間の茶室があります。
また庭を囲むように広間があり、東京とは思えない別世界です。

このような素晴らしい空間の中、
広尾サロンと練馬教室の皆さんで、お客様をお迎えいたしました。

あいにくの雨の中、多くの参加を頂き、心より感謝いたします。



外は雨。
庭を流れる水は、連続した小さな滝を潜り抜け、書院の窓の下を通り過ぎ、
柔らかな春雨の音を打ち消している。

手元には愛玩の松花江緑石硯と螺鈿の筆。
来客を心待ちに、田能村小斎の折帖を開く。

選んだ香りは、京都鳩居堂の「玉蘭香」
白檀の香りが気持ちを緩やかにしてくれる。



ここは煎茶席。
既に涼炉に火は入っている。
ボーブラから、かすかに湯の沸く音が聞こえる。

臥遊の仲間で清水の陶工、加藤清昌作の茶器の中に、
鈍く光る錫の托子。

茶道具にある火・水・金。窓の外には苔むした石と木。

ここには外界とひとつになった、小さな宇宙がある。



床の間には文人平尾竹霞の瀧画。
亭主のしつらえた水辺の風景と相まって、世界は室中に広がる。





客人はやってきた。
まずは一煎召し上がれ。



客人が茶を楽しむ中、
自分の世界で画を描き、戯れる人。
これも結構・・・文人趣味は自娯の世界。



気が付けば仲間が集い、初めて会う客人とも、
わけ隔てなく交わる。
画を描く者、それに賛を題す者。
持参した自刻の印を押して今日の足跡となる。



茶を味わい、書画を楽しむ・・・・・
そして塵を払い、より奥深い世界へ導く。


障子を締め切った四畳半の小間。
幽谷佳人の世界。



掛け軸は富岡鉄斎の「蘭石図」
石に倚り、野茨の中、花開く春蘭。

「梨花一枝春雨帯」白楽天の長恨歌の一句。
雨が似合う梨の花を、乾隆ガラスの花器に一枝。

黄玉の鼎には松栄堂「五山」の沈香。

筍と霊芝の盛り物飾りは
掛け軸の春蘭とひとつになって「君子延年」の雅題。

茶は宇治田原大正園の玉露「天下一」
奈良から届けられた行基堂御製の菓子は、
今日の日だけのために誂えた「白瀧」。



文房具と茶器がひとつに納まる、臥遊独自の「文人茶箱」を使っての一煎。

泡瓶(急須)と湯冷ましは臥遊の仲間、二十代雲林院寶山お手製。
蘇東坡の詩に竹画の染付。

涼炉にも墨で描かれた竹画。
水注には朱竹の上絵付け。
碗筒には四君子(竹・蘭・梅・菊)の画。
いたるところに配された君子たち。

玉露専用の小さな茶碗も臥遊の仲間、二代清川吉兆作。
青・黄・赤・白・黒と、それぞれ五色に染められた五行彩。
ここにも小さな宇宙がある。

まもなく君子たる客人も加わり「君子之交」の始まり。

文人趣味の世界につつまれ、
緩やかな亭主の語りと共に、客人たちは時の過ぎるのも忘れ、
語り合う・・・・・

文人趣味臥遊‐TOKYOの皆さん
お疲れ様でした。
とても楽しい1日でしたね。

非現実の世界にいたような・・・・・
いえ、日常の暮らしが非現実で、
あの日が現実です。
また皆さんで、現実の世界へ帰りましょう!

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